リーダーズ最前線

某政府系機関で働いているビジネススクール時代の友人から、うれしいメッセージが来ました。

先日のロジ達コラム記事「日本人流のビジョンの作り方」を関係各所にシェアしてくれたそう。単に「こんなのあるから読んどけ」じゃなくて、彼自身の心の声を入れ込んだつぶやきになっています。変革のトライの中で、これを使ってみようとか、そうそうあるあるとか。

この記事は、まさにそういう人に読んでもらいたくて書きました。アクセスランキングには上がらないだろうけど、きっとしかるべき人の目に留まって、役に立つ、と思って。

「年明け、○○支店に電話がかかってきて、「年賀状が届きました。仮設住宅に届くとは思っていませんでした。ありがとう」って、涙ながらのお礼があったそう。...こういうことをきちんとすくいあげて展開していくってことが、ビジョン実行の第一段階かなって、思ってます」

彼の言うように、ビジョンとは、現実離れした夢物語だけでなく、日常にも宿っているものです。上の電話はそれを知らせてくれたのでしょう。この電話をくれた人にも「いいね!」10回押したいですね。

 

今日、歩きながら教え方について考えていて、ふと思い出したことがありました。

僕は運動神経がよくなくて、見よう見まねとか普通のコーチについてもらうだけではだいたいのことはうまく行きません。スノーボードは一度やって金輪際やらないと思ったし、コンセプトは気に入っていた合気道もダメでした。しかしそんな僕でも、かなりスムーズに行ったことがあります。

昔、バイクの限定解除(いわゆる大型免許)に挑戦していた頃のこと。当時は教習所で取れず試験場に行くしかありませんでした。バイクを貸してくれる練習場に行って自分なりに練習するものの、試験場に行くと全然ダメです。何回か落とされるうちに、これではらちがあかないなと、たまたま見つけた教習所に行くことにしました。

そこで数回教わって受けに行った結果、2回で通りました。教わったのは、いわゆるコツ。

「一本橋は下を見るから落ちるんだ」(細い橋の上を何秒以上かけて渡るという課題があるのです)「遠くの方に目標を定めてそれに向かっていくように。橋は視界の下端にあれば十分」とか、「スラローム(ジグザグ走行)は車体をブレーキで倒しアクセルで起こす」等々。別にスパルタでもなんでもないのだけど、コツが分かると運動神経の鈍い僕でもできるようになって行きます。

そしてこのコツは、物事の仕組みと、人間の癖を押さえたものです。まさにロジカルシンキングですね。あのバイクの教習は僕にとって一つのベンチマークになっていて、未来図のクラスはそういうふうに「つかめた」「できた」と感じられるようでありたいし、日本の教育がそうなっていって欲しいと思っています。

 

1月4日に提出していた登記申請が認められ、SCHOOL OF 未来図が合同会社SCHOOL OF 未来図になりました。

これまでは『なるべく身軽に』ということで個人事業でやっていました。実は会社にしただけでやることは変わっていなくともコストがけっこう上がります。しかし企業向けのサービス提供が増えていることや、カタチを作っておいた方がわかりやすいことなど考えて、法人化することにしました。

SCHOOL OF 未来図の名前を掲げてから丸6年、ちょうど『世の中に笑顔を増やすビジネススクール』と打ち出したタイミングでもありますので、これを一つの区切りとして引き続き楽しくがんばって行きたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

 

新シリーズ「リーダーズ最前線」のスタートです。このシリーズでは「世の中に笑顔を増やすビジネスリーダーの最前線」をインタビューを通じて紹介していきます。第1回は日本トレルボルグ シーリング ソリューションズ株式会社 代表取締役社長の樋口洋一氏。「ビジネスを通じて笑顔を増やす」とは例えばどういうことなのか、具体的なイメージを持っていただけるのではないかと思います。
なお、樋口氏はSCHOOL OF 未来図においては、英語のシャワー、ロジカルシンキング、リーダーズビジョンワークショップなどを受講。また2010年からは自社にロジカルシンキングの研修を長期的に導入されています。

【プロフィール】
樋口洋一氏
日本トレルボルグ シーリング ソリューションズ株式会社 代表取締役社長。 慶応義塾大学法学部卒。日系大手精密部品メーカーミネベア株式会社に勤務。国内営業の後タイ、マレーシア、米国、オーストラリアに計13年駐在し市場拡販・開拓に携わる。帰国後ITテレコム業界へ。米系企業2社にて主にグローバル企業向けITネットワークビジネスをマネージメント。2009年6月より現職。最近の興味は「人のやる気が上がるには?を考えること」「景気に左右されないビジネス体系とは?を考えること」「ピアノの腕を上げること」。

トレルボルグ グループ
世界40ヶ国以上に拠点を持つグローバル企業。グループ本社はスウェーデン。主なプロダクトは航空機、自動車、産業機械などで使われるゴム製品。トレルボルグ シーリング ソリューションズはその事業体の1つであり主にシール材を扱う。日本法人である日本トレルボルグ シーリング ソリューションズ(株)は社員数約100名。

インタビュアー:高橋俊之(SCHOOL OF 未来図 代表)

■バランスが取れている


高橋:今日はお時間ありがとうございます。忙しいですか?
樋口:そうですね、おかげさまで。景気を考えるとありがたいことですが。
高橋:本当にそうですね。では、さっそくですがインタビューに入らせてください。この企画では「世の中に笑顔を増やすビジネスリーダーの最前線」紹介したいと考えています。「笑顔を増やす」というのは、単に利益を増やしているわけではないということ、「世の中に」というのは、取引先、社員、その家族、さらに広く社会というように広がりを考えています。

高橋:それでまずは会社の様子についてお聞きしたいのですが、樋口さんがトレルボルグに入られたのは2年半前の2009年でしたね。入られた時の会社の印象ってどんな感じでした?
樋口:良い面では、バランスの良い会社だと思いましたね。純日系の会社も非常にアメリカ的な会社も経験していますが、どちらでもない。合理的だけれどもドライ過ぎはしない。結果重視だけれどもプロセスも見ている、というようにバランスが取れているなあと。

高橋:スウェーデンが本拠、というのに関係あるんですかね。
樋口:かもしれませんね。しかしグローバルのマネジメントはスウェーデン人だけでなく、いろいろな国の人がいますよ。
高橋:なるほど、それはいいですね。バランスのいいやり方が、いろいろなバックグラウンドを持った人が集まる中で出来ているとしたら、そういうやり方が広まることでも、笑顔は増えるように思います。
樋口:確かに。

■コミュニケーションを起こす

高橋:逆に気になったことはありました?
樋口:日本について見ると、コミュニケーションが足りないと感じました。日本の組織内もそうですし、本社との間でもそう感じました。その結果、やっても評価されないというあきらめ感、目的がよくわからない故のやらされ感などがありました。特にリーマンショックの後でいろいろ厳しいことがあっただけに、みんなしかめっつらをして仕事してましたね。

高橋:そんな中、どんな思いを持って入って行ったんですか?
樋口:まずは売上(シェア)をある程度の規模に持って行きたいと思っていました。普通ですね(笑)。しかしそのやり方として、コミュニケーションの良く取れている組織にしたいと思っていました。また「やらされている」のではなく、自ら動いていて、周りもサポートしているような。

高橋:いいですね。どんなことをやってきたんですか?
樋口:コミュニケーションをする場をなるべくたくさん作るようにしてきました。例えばタウンホールミーティングといって全社のミーティングを毎月やり始めました。これまでは全社だと集まっても半年に1回くらいだったんですよね。

高橋:どんなことを話すんですか?
樋口:月次の業績とか連絡もするんですが、メインはテーマを決めて情報シェアをすることですね。最初は各部門の紹介から始めてお互いに知るようにしていきました。

高橋:どんな変化がありました?
樋口:業績がよくなってきましたね。やはりお互いのこと、会社のことがわかってくると、やりやすくなったり、やる気が増したりするんでしょうね。コミュニケーションもその場しのぎのものじゃなく突っ込んだものになりつつあると思いますね。
高橋:突っ込んだもの?
樋口:ええ、結構がんがんやってますよ。でも人を攻撃しているとは取られなくなってきて、課題に対して遠慮せずに言える空気が出来つつあるかなあと思いますね。

■自ら動く姿勢が出て来た

高橋:ここ1年以上、論理思考の研修を継続的にやってきていることは何かに出ていますか?
樋口:ありますね。しぶとく考える人が増えてきた。前だとすぐあきらめていた人が多かったのが変わってきましたね。質問されても「責められている」ではなく「考えよう」と受け取られるようになってきたし。
高橋:それはいいですね。考える力も重要だけれども、考えよう、打開しよう、という姿勢が一番重要で、それさえあれば力は着いてくるので。

樋口:あと、クラスの課題から実際に社内で提案できるものが出て来たのは大きいですね。
高橋:夏にやっていたスーパークールビズですか。
樋口:そうそう。クラスでやった後、有志が先のタウンホールミーティングで提案して、採用になりました。実は僕は元々歓迎だったんですが、上からではなく彼らの提案によって部長たちがOKと言ったのは大きかった。
高橋:実際に使えるものを課題に入れるのは未来図の特徴ですから。僕も最終提案を見せてもらいましたが、よかったですよ。クラスでやっていた時からさらによくなっていましたね。
樋口:そうでしたか。中心となった人だけじゃなくて10人くらいに意見を聞きながら作って行ったらしいですよ。
高橋:そういう能動的な動きはとてもいいですね。また実際、あの前後にクラスに来て、雰囲気が変わった感じがしましたよ。よりダイナミックになったというか。ポロシャツだと仕事の気分になれないといった声も世間ではありましたが、むしろ伸び伸び、生き生きしている印象がありました。

■外にも波及していく

樋口:スーパークールビズの時は、取引先800社くらいに、こういう意図でこのようにします、というレターを送ったんですけど、そうしたらある名古屋の会社から「あのレターを読んで、うちもそうした」と最近言われたんですよ。
高橋:外にもそういうふうに波及していくのはとてもいいですね。
樋口:まあ小さな話と言えばそうなんですが、社会をベターな方向にリードしていく会社だと思われて行きたいし、そのきっかけにはなったんじゃないかと。

高橋:そういう意味では、先日スタートしたCS(顧客満足度)向上プロジェクトにも、そこまでの意味を持たせられそうですね。
樋口:そうですね。単に値段を下げるとかじゃなく、「信頼できる」とお客さんに感じてもらいたいし、そのためには社内の意識やモチベーションが高まっていることが、とても重要だと思っています。そういうところから「未来作り」に徐々につながって行くのではと思いますね。
高橋:同感です。このプロジェクトは僕自身も楽しみにしているんですよ。
樋口:よろしくお願いします。
高橋:こちらこそ。まだまだお聞きしたいことはあるんですが、時間がなくなってしまったので、また次の機会にその後も含めてぜひお願いします。今日はありがとうございました。
樋口:こちらこそ。

 

今、立教のクラスで1年生を対象に論理思考の共通クラスを一つ担当しています。ここではディベートを使って学ぶのが特徴。この良い点は、講師がいちいちやらなくとも、学生がお互いにロジックをチェックし合えること。そして、やる気が高くなること。敵味方に分かれた同士は必死になって相手に勝とうとしますし、チームの中でも盛り上がります。

一方で、これだけに頼ってしまうと、足りないとも感じます。
例えば先日「コンビニチェーンAはレジ袋を有料(X円)にするべきか」というテーマでディベートをしました。学生はわかりやすいところ「顧客離れによる売上減少はどれだけ?」とか「コスト削減はどれだけ?」「二酸化炭素の削減効果はどれだけ?」「石油の使用量減少はどれだけ?」とかだけ見がちです。それも直接レジ袋だけから計算して。

しかし、これは「考えた」というより「計算した」だけです。考えたと言えるには、自分のやり方で「ここまで持って行ける」と出して欲しい。特に経営学部=ビジネスのために勉強しているのですから。

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