未来図ノート

今、立教のクラスで1年生を対象に論理思考の共通クラスを一つ担当しています。ここではディベートを使って学ぶのが特徴。この良い点は、講師がいちいちやらなくとも、学生がお互いにロジックをチェックし合えること。そして、やる気が高くなること。敵味方に分かれた同士は必死になって相手に勝とうとしますし、チームの中でも盛り上がります。

一方で、これだけに頼ってしまうと、足りないとも感じます。
例えば先日「コンビニチェーンAはレジ袋を有料(X円)にするべきか」というテーマでディベートをしました。学生はわかりやすいところ「顧客離れによる売上減少はどれだけ?」とか「コスト削減はどれだけ?」「二酸化炭素の削減効果はどれだけ?」「石油の使用量減少はどれだけ?」とかだけ見がちです。それも直接レジ袋だけから計算して。

しかし、これは「考えた」というより「計算した」だけです。考えたと言えるには、自分のやり方で「ここまで持って行ける」と出して欲しい。特に経営学部=ビジネスのために勉強しているのですから。
例えば上のコンビニのレジ袋の話で肯定側なら「こういうやり方をすれば顧客離れどころかむしろ増やせる」「レジ袋だけの利益や環境負荷で考えてはいけない。誰もが目に留めるものなのだから、強いメッセージとなりうる」等々。一方、否定側なら代案を出すべき。効果のないレジ袋有料化に金と時間を使うのではなく、○○に使うべき。その方が利益も環境負荷削減の効果もはるかに大きい、と。ディベートにそこまで求められているかどうかはともかく、「論理思考」にはそこまで必要だと思います。

論理思考とは合理的な「判断」だと思っている人がいます。それも間違っていません。でも、今の世の中で一番論理思考を使うべき方向は、状況を「打開」することだと僕は思います。それができる論理思考を教えたい、と思っています。

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最近「消費税増税はいらない!」(高橋洋一著)という本を読みました。やや難しかったり、タイトルと本の内容がずれているように感じられたりすることから、誰にでもお勧めする本ではないのですが、自分としては視点を得られてよかったと思います。

筆者の主張は、消費税増税からやってしまうと、(1)民が疲弊する、(2)行政の問題は変わらず、むしろ助長するというもの。増税ではなく(1)経済成長による税収増、(2)行政改革による支出カット&民営化からの収益創出、(3)とりっぱぐれている税を取る(国民番号導入により)ことで財政と経済の再建をはかるべし、という考え方です。

筆者は元官僚(財務省)で、役所を変える必要があるという思いが強いので、行政改革の部分は厚く、行政改革の本なのかと思うほどです。確かにこの面は検討&進める価値がありそうですし、意思決定者、負担者、受益者を近づける(所得再配分を除く)考え方には同感です。また、問題のある仕組みにメスを入れずに増税をしても状況はよくならないというのも頷けます。つまり官僚が国民のために働いてしまう仕組みになっていない現状のまま官僚の使える金を増やしては、今のシステムにもっと固執することになるということです。

また、デフレ見込みが経済縮小の悪循環を作り出しているという考えも頷けます。ただ、その解決、および成長の策としてマネー供給(=カネを刷ってばらまく)メイン(というかほとんどそれオンリー)というのは、やや疑問です。経済が縮小しているのはデフレ見込みだけが原因ではなく、少子高齢化が影響している部分も大きいはずです。またばらまかれたカネが仮にけっこう使われて経済を潤したとしても、基本、モノ余りのままでは一時のバブルで終わるでしょう。

そう考えると、行政改革は進める一方で、経済に関してはただカネをばらまくのではなく、
・満たされていないニーズのあるものへの投資や消費を促進する
(本当に安心な食、人を活かす教育、環境&資源不足対策等々)
・これらビジネスが大量生産型ではなくシゴト創出型で成り立つよう促進する
(大量生産型では企業は伸びても格差は広がり、多くの人の仕事は非人間的に)
・これらのビジネスで働けるよう中間層(真ん中の6割)の能力アップをはかる
(特に自ら考える力とマインドの醸成)
のが進むべき方向ではないかと読みながら考えました。

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スティーブ・ジョブス氏が亡くなりました。

彼はビジネスの上でも成功しましたが、同時に、世の中に笑顔を増やして来たという点に僕は注目したいと思います。

僕は90年代の前半はMacユーザーでしたが、アップルがインターネットに乗り遅れていたのでやむなくWIndowsマシンに切り替えました。しかしMacBook Airでまた復帰。この時に、「Macを取り出すと人が寄ってくる」というのをたびたび体験しました。他のパソコンではそういうことはありません。機能も、似たように見えたとしても、根底にある考え方が違う。自然で、かつ人を解き放つことを意図している。

カッコイイ、かわいい、使いやすい....いずれにせよ、人を笑顔にするもの、使っていて楽しい道具。このようなものを世に出す上で、彼の力は非常に大きかったと思います。

今年2011年、311の大震災がありました。そしてジョブスの死。
何か、語りかけられているような気がします。「今、やらなくていつやる」「それぞれが天から与えられたものを最大限、活かすんだ」

日本も世界も岐路に立っています。これまでと同じようにやっていては立ちゆかず、がんばってもがんばってもしんどくなる。だからといって立ち止まるだけでは取り残される。坂本龍馬ではないですが「皆が笑って過ごせる」世の中にするためには、これまでと違うやり方が必要です。ジョブスは、その一つのやり方、そしてそれがどこまでビジネスとして成立するかを見せてくれました。

「世の中に笑顔を増やす」

そういう人そして企業を増やしたい、と改めて思います。

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台風15号は各地で被害をもたらした他、首都圏でも帰宅ラッシュに大混乱を起こしました。被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。

今回、首都圏での帰宅難民状況は、日本が変わるべきことの一つを示唆していたと思います。多くの人がFacebookなどで書いていたように、台風が夕方直撃するのは十分間に合うタイミングでわかっていました。それでも普段と同じようにビジネスを行おうとするのは、ビジネスも人々の生活も、時計とカレンダーに支配されているからでしょう。それでは効率的で便利な反面、余裕がありません。それを予定通り回し続けないと困るので、人の安全よりも仕事が優先されかねない。

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福島の学校の「20mSv」が波紋を巻き起こしています。これは気をつけないと、よかれと思って悪い方向に物事を持って行く恐れがあります。

発端は福島の学校について文科省が出した通知。これが、本来年間1mSvだった制限を一気に20mSvに上げ、子どもたちを放射線業務従事者に匹敵する危険にさらすものだと大批判が持ち上がりました。親として気持ちは分かるのですが、通知をよく読むと、まずおそらく"20mSv"が本来の趣旨ではありません(本来の趣旨がわかりにくいのは困ったことですが)。また、通知内にある数字が正しければ1年で20mSvに達することはまずないでしょう。1日平均8時間も校庭で過ごす子どもは今時いないでしょう。

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